だんのうさんのはなし

「だんのうさん」とは、川端通三条上がったところの、だん王法林寺のこと。
町の人は親しみを込めてそう呼びます。
仁和寺さん、おやくっさん、のように、こちらも「さん」をつけて呼び親しまれてるんですね。
「の」にアクセントがつきます。
だんのうさんは、右手を挙げた黒い招き猫で有名なんですが、
その猫さんは、主夜神尊という夜の守り神様のお使いなんやそうです。 
その主夜神尊さまとういうのは、夜のどろぼうの侵入や火事などの災難から守ってくださる神さまやそうです。
猫さんは夜の闇のなか、目を光らして見張ってくださってるんですね。

そして、併設の保育園は日本で先駆けて夜間保育を始められた保育園。
遅くまで働くお父さん、お母さんの支援をしてこられました。

さて、ここのお寺はもうひとつ有名なことがあらはって、それはなにかといいますと、沖縄とのご縁なんですね。
その昔、1603年、袋中上人が当時の琉球王国で仏教の布教をされて以来のご縁のようで、エイサーのベースはなんと、この時に浄土宗の普及とともに始まった念仏踊りだそうです。
沖縄は今でこそ国内ビーチリゾートの代名詞ですが、当時は言うてみれば外国で、文化も信仰も土着のものがありました。
今でもそれは色濃く残っていて私たちに異国情緒を感じさせますね。
そんな、土地のカラーとしては言うなれば京都と真逆のところにある沖縄との数百年にわたる交流というのが、なんとも不思議な感じがします。

こんなに個性や魅力が異なる都市が一つの小さい国のなかにあるっておもしろいですよね。
それぞれの土地の人たちが、それぞれ土着の文化を上手に、丁寧に残していくのが観光国ニッポンとして大事なんだなぁ、なんてことを、庫裏の屋根のシーサーを見て想います。

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