「古都京都」なんて言葉、
京都人が京都のことを言う時以外で聞いたこと無いけれど、
京都では、歴史のあるものや古いモノは良いとされる誇りをもっている。
古い建物が並ぶ町並みもその一つで、
京の町では、「京町家」と呼ばれる風情のある建物がそこら中にあり、
京都の景観を作るのに一役二役買っている。
京都に住んでいると、麻痺してくるが、
京都以外の地方や都市に行くと、
こういった「町中の古民家」は意外と無いもので、
華やかさと素朴さが混ざりあったような
すこし昔の「町」の雰囲気を感じられるところは日本でも少ない。
ちなみに、
江戸時代くらいに建てられた古い古民家を、
昭和の後期くらいから「町家」や「京町家」と呼び出し、
なんとなく、歴史的価値をアピールし、
なんとなく、「ねうちもん」としてきた。
そうして、なんとなく過ごしてくるうちに、
外国人観光客の京都の大観光ブームや、
カフェや民泊などのリノベーションブームなどもあって、
2000年頃から、じわじわと町家が人気になって、
今や「町家」というだけで、「ええもん」として扱われるになった。
昔は、基準も結構ストイックで、
江戸時代あたりに建てられた一階建てのいわゆる「平屋」を指して
「京町家」や「町家」と呼んでいたが、
ブームになり、「京町家」の数が足りなくなってきたために、
定義を拡大し、二階建てや三階建ても含めて、
見た目が古ければ、古民家でなくてもすべて「町家」と呼んで町家数を稼ぐことに成功している
いずれにせよ、
古い建物であることにはかわりはなく、
当時の人々の生活様式や町並み、
雰囲気などを想像したりする手がかりになるわけであり、
貴重な建物であることには変わりがないので、
全部含めて「町家」として受け入れていこう、
あと、観光客も増えるので町家増やしておこう、
というのが、京都人の総意なんだと思う。
「あるものを活かす」
実に、京都らしい発想だなぁと関心する。