秋に京都を訪れる人は、ほとんどが紅葉を楽しみにして来られるでしょう。
名所といわれる場所には高雄や、永観堂、毘沙門堂ほか、多くのお寺があります。
東福寺もその一つ。
通天橋から見る渓谷の楓は素晴らしく、多くの人が訪れます。
混雑で危険なのでこの時期は橋の上での写真撮影が禁止されることもあるほどです。
わたしのなかでのベストシーズンは新緑の季節です。
通天橋を独り占め、そこから眼下に広がる緑には、こころ洗われます。
山沿いのお寺で見上げる木々とは別の趣があります。
2019年の大阪サミットG20の折には、配偶者プログラムの行先にも選ばれ、各国首脳夫人は5月の青紅葉を楽しんだとのこと。
グッドチョイスです。
本坊庭園は幾何学模様がミステリアスでアーティスティック。
古いようで新しい、素敵なお庭です。
大小の市松模様の庭や石の円柱でできた北斗七星に作庭家、重森三玲が創りあげた“永遠のモダン”を感じられます。
一度訪れた人は再訪せずにはいられない、魅力いっぱいのお庭です。
そしてこれらのお庭が、「一切の無駄を出さない」という禅の教えに基づいて坊内の廃材をリサイクルして出来ているというのも興味深いです。
古いものから大胆で新しいものを生みだしうるということを証明しているのがこの本坊庭園です。